コンファレンス・リポート
- ユリア
- 5月19日
- 読了時間: 4分
皆さん、再びユリアです!約束通り、テュービンゲンのお話を続けます。
国際的な研究者の集まりでは参加者も主催者も早期から準備することがたくさんあり、数か月前から準備に関わり始めますが、いよいよそのゲストの方々が到着され、ご一緒する度に、面白くて勉強になるお話に夢中になります。
そういう時に、いつも「頼もしい大学生の手伝いさんがいて良かったな」と思います。今年も優秀な学生ばかりで、日本語でも英語でもドイツ語でも丁寧に対応してくれました。

今年のコンファレンスは日本の宗教や信仰における「聖なる空間」に関するコンセプトや、その中のジェンダー的なところを中心としました。私と先生のパネルの内容は宮中と神社の祭祀に集中しました。
私は男女の作法の違いとか、資格や役職などによってどこまで神様に近づけるかということでお話をさせていただきました。歴史・思想学者でもあり、宮司でもいらっしゃる先生と、現代の宗教的社会学をやっている私の報告が合わさり、大変貴重な機会となったと思います。
発表後に、2月のドイツで外の世界が冷えている中でも、ゲストさんとのお話にお花が咲き、あれこれについて「女性たちの観点は何ですか」と多くの方に聞かれました。
女性の参拝者も、女性の神職も最近増加しているというのは、「世界中の日本学者の間でも話題となっているんだね」とよく分かりました。
【一にリポート、二に食事上のネットワーキング】
人間はどこに行っても人間だから、食事を大事にしています。私が聞いたとある方の言葉によりますと、研究発表の間の「コーヒーブレイク」が何よりも大事な参加者との交流の時間だということです。従って、レストランやケータリング・サービス担当の私は事前にかなり頑張りました。
テュービンゲンには素敵な古い建物の中にあるレストランが多く存在していますが、色々な国からいらして、時差ぼけと戦っていらっしゃる方のお口に合うような体にやさしい食事を考えました。その結果は、この下をご覧ください。
日本からいらっしゃるゲストによく、「テュービンゲンの名物はなんですか」と聞かれますが、正直ドイツの名物やお土産の文化は比較的弱いので、ある街の産物よりも、地域か州の産物を勧めることにしています。
幸いなことに、ドイツのどこへ行っても、パンもケーキも、ビールもソーセージも、勧め手にとって頼もしいものがありますよ。ケーキやパンなどは、時期に合わせたデザインを普通のスーパーでも発見することができます。
名物というより、そうした地域のお店の店員さんの遊び心を表す独特なものにも、お土産と
しての魅力があるのではないかと思います。
テュービンゲンのイースターの写真
【天祖神社でのテュービンゲン会】
テュービンゲン大学の日本学者に聞いてみると、一人ひとりには、テュービンゲンに縁のある日本学科の知り合い同士が、日本のどこかで「偶然再会」したという一口話が絶対あります。
私自身も、不思議なことに上板橋御嶽神社で巫女さんとしてお手伝いをしていたら、「ドイツの観光客の方が外にいますが、ユリアさん、ちょっとお祭りの説明でもしてきてください」と言われて出てみれば、「ユリア?!」と、当時3年前に講座をしてくださった、世阿弥に詳しいハンナ先生でした。

こういうふうに、遠い日本にも近くにテュービンゲンの者が近くにいる可能性はゼロではありません。ちなみに、今年3月のある日に、板橋区で出会った知り合いの数はなんと、3人でした。

天祖神社の最高のおもてなしに甘えながら、小林宮司とテュービンゲンや日本学・思想史や大田南畝のお話をしていれば、あっという間に時間が過ぎ去っていきました。
その日のテュービンゲン会の参加者は帰る前にお参りもし、「また帰ってきたい」と振り返りながら鳥居をあとにしました。
遠いドイツから、皆さんのご健康、幸せを祈るユリアの記事でした。
今年の秋の例大祭にでも再会しましょう。
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